銀縁眼鏡と鳥の涙、を読む
青春を思い出したい
著者の作風は、ざっくりと「青春的なもの」と自分では記憶しており、そんな気分だったので読む。同世代の作家さんなので、興味があったのは以前から。なんだかんだ言って、Kindleで無料だったのが最大の要因だったりする。
主人公の男子高校生「鳥」が高校入学の際に写真部に入部するところから始まるストーリー。写真を通して、部活の先輩や同じ高校に進学した中学からの同級生とのやりとりが、描かれる。
読みやすく、あっという間に話は終わりを迎える。突然すぎて、読んでる本人がびっくりするくらい。でも、これから「鳥」の生活が良い方向に向かうんだろうな、という余韻を残した終わり方。
「鳥」は揺れ動く
「鳥」は魅力的な先輩・仲間に囲まれ、気持ちが揺れ動く。「あの頃」特有の、いろんなことが妙に気になっちゃう、一歩間違えれば恋愛みたいな、いや恋愛なのかも、沢山の揺れ動く感情ーーーーーー
私は年齢を重ね、それなりに人間関係を経験し、友達の大なり小なり事件とも言える体験を聞きながら、「大人ってそんなもん」って、すっかり図太くなってしまっていた。私だって、あの頃は悩み、喜び、沢山の繊細な感情を持っていた。
子どもが思春期になった時に、また思い出さなくちゃ。
そんなときに読みたい話。